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■動物用ワクチン戦略で製造体制・販売体制の強化へ

2025-04-18 17:01 掲載 | 前の記事 | 次の記事

中長期的目標

目指すところが構築された体制

農林水産省は、2025年3月18日、「VMC プラットフォームキックオフイベント」を同省 農林水産技術会議事務局委員室とオンラインで行った。動物医薬品検査所を含め農林水産省の関連部局、公益社団法人日本動物用医薬品協会、農研機構動物衛生研究部門、日生研株式会社、共立製薬株式会社、株式会社微生物化学研究所と産官学の関係者が集い意見を交換した。

農林水産省は、2024年に「動物用ワクチン戦略検討会」を重ね、11月29日に中間発表を行った。そこで、産学官の連携プラットフォームであるVMC(Veterinary Medicine Industry Academia-Government Collaboration)プラットフォームの設立が決定し、今回のキックオフとなった。

今回のキックオフでは、「ワクチン戦略の目標達成に向けたタスクは、優先順位の高いものからテーマに取り上げ検討していく」、「ワーキンググループの設置」、「ワーキンググループのテーマは、開発基盤の強化、承認審査制度の最適化、国内製造安定供給、輸出促進が重要」との意見が出され、①開発基盤の強化、②承認審査制度の最適化および輸出促進、③国内製造安定供給の3つのワーキンググループが設置された。今後定期的に検討が行われ、開発の促進・迅速な実⽤化、承認制度の最適化、製造能⼒の強化・技術の蓄積、販売体制の強化を図っていくための戦略が練られる。

将来的には、①必要なワクチンの迅速な開発と安定的な流通、②不測事態にも対応可能な製造体制、③終息した疾病の再流⾏に対する備えを構築し、それによりアフリカ豚熱のような重⼤な疾病のまん延リスクの減少、下痢や肺炎等の慢性疾病による経済損失の減少に結び付けていく。さらに輸出による市場拡⼤も視野にいれ、我が国の⾷料安全保障への貢献のみならず、近隣諸国の畜⽔産物⽣産の持続可能性の強化にも貢献していくことを目指す。