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■目黒寄生虫館で特別写真展「顧みられない熱帯病と暮らす人びと」が開催中 3月30日まで

2025-01-27 15:27 | 前の記事 | 次の記事

特別写真展「顧みられない熱帯病と暮らす人びと」

非営利で医薬品研究開発に取り組むDNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)および公益財団法人目黒寄生虫館は、2025年1月24日より、特別写真展「顧みられない熱帯病と暮らす人びと」を開催している。1月30日の「世界顧みられない熱帯病の日」にあわせたイベント。

  • 開催期間:2025年1月24日~3月30日
  • 場所:目黒寄生虫館1F 特別展示スペース
  • 東京都目黒区下目黒4-1-1
  • 開館時間:10:00~17:00
  • 休館日:月・火(月・火が祝日の場合は開館し、直近の平日に休館)
  • 入館料:無料

主に低中所得国の貧しい地域を中心に、世界で10億人以上の人びとが「顧みられない熱帯病」といわれる感染症に苦しんでいる。その中には寄生虫によって引き起こされる病気も多く含まれており、人びとの健康および生活の質に深刻な影響を及ぼしている。これらの病気は、投資に見合う収益が見込めないという理由から、治療薬を含む医薬品の開発がほとんどされてこなかった。また、病気の蔓延地域では、もともと医療や社会的な支援が不足しているために、患者は孤立し、適切な治療を受けられない状況に置かれている傾向にある。このような複合的な背景から、これらの病気は「顧みられない熱帯病」と称されている。

同写真展では、顧みられない熱帯病の患者とその家族の生活や苦悩、そして困難な状況の中でもたくましく生きる彼らに治療を届けるために尽力する医療従事者の姿を視覚的に伝えることで、寄生虫館を訪れる多くの方々に、彼らの置かれた状況について理解を深めていただくことを目指している。

なお、武田薬品工業株式会社が実施する「グローバルCSRプログラム」によって支援(5年間で10億円)された、DNDiの「世界中の最も顧みられない患者さんに治療を届けるプロジェクト」の一環として行われている。

DNDiは、顧みられない人びとのために、安全で効果的、かつ安価な治療薬・治療法を発見、開発し、提供する非営利の研究開発組織。アフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症)、リーシュマニア症、シャーガス病、河川盲目症(オンコセルカ症)、マイセトーマ(菌腫)、デング熱、小児HIV、HIV患者の重症日和見感染症、クリプトコッカス髄膜炎、C型肝炎に対する医薬品を開発している。また、子供の健康、ジェンダー平等、性差の考慮、気候変動の影響を受ける病気などを研究開発上の優先事項としている。2003年の設立以来、DNDiは世界中の産官学パートナーと協力し、13種類の新しい治療薬・治療法を提供し、数百万人の命を救ってきた。

公益財団法人目黒寄生虫館は、医師で医学博士の亀谷了(1909~2002年)が私財を投じて1953年に創設した寄生虫学専門の私立博物館。館内には国内外から集められた約300点の標本及び関連資料を展示している。1階では「寄生虫の多様性」をテーマに様々な動物群に属する多様な寄生虫の姿を標本や動画等で紹介し、2階では「人体に関わる寄生虫」というテーマで、寄生虫のライフサイクルやヒトに感染した場合の症状等を展示・解説、加えて日本における寄生虫学研究の歴史に関する展示もある。また、同館では展示や出版による教育・啓発活動に加えて、標本・資料の収集、保管、研究など様々な事業を行っている。