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農研機構は、2024年4月10日、個体ごとの塩基配列の違い(ゲノム情報)を利用して、肉用牛の黒毛和種における近親交配の程度(近交度)を評価する方法を新たに開発したと発表した(参照:農研機構「プレスリリース」)。
同方法により家系情報を利用しなくても、ゲノム情報から正確な近交度を評価できる。育種現場だけでなく生産現場である農家においてもゲノム情報を取得することで近交度を考慮した交配が可能となり、近交度の上昇による生産性の低下を防ぐことができる。
開発した評価法の性能を検証するため、家畜改良センターで飼育されている黒毛和種集団を対象に、最大で17世代まで整備された家系情報から算出した近交度と今回開発したゲノム情報から算出した近交度を比較したところ、両者の値はほぼ一致した。また、開発した評価法は豚などゲノム情報が得られる環境にあるすべての畜種に活用できる。