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■猫遺棄事件の告発状が受理される どうぶつ弁護団

2024-02-13 12:43 | 前の記事 | 次の記事

遺棄された猫たち(撮影:どうぶつ弁護団への情報提供者)

動物遺棄とは命を見捨てる犯罪

特定非営利活動法人どうぶつ弁護団は、2024年2月7日、数年にわたり東大阪市内の公園周辺で複数回発生した猫の遺棄事案に対する告発状が受理されたと公表した。動物の愛護及び管理に関する法律に違反(第44条3項違反・動物遺棄罪)するとして大阪府河内警察署に告発状を提出、2023年12月20日付で受理された。

§事件のあらまし

2023年7月9日、生後10日の子猫5匹が段ボールに入れられて遺棄され、緊急保護に関わった動物病院スタッフが、警察へ通報するとともに、どうぶつ弁護団の情報提供窓口へも連絡を入れた。頻発する遺棄事件に、警察もパトロール強化などをしてくれるということであったが、遺棄は起こり続けた。

情報提供者からの聞き取りで直近では以下の遺棄事件が起こっていた。

  • 2021年2月25日-生後1.5か月、子猫2匹
  • 2021年8月22日-生後2か月、子猫2匹
  • 2022年2月10日-老齢のスコティッシュフォールドらしき猫、盲目で歩くこともできない状態
  • 2022年6月20日-生後1.5か月、子猫7匹、段ボールで遺棄され藪の中で発見
  • 2022年6月25日-生後1か月、子猫1匹、衰弱しており横たわった状態
  • 2022年7月31日:人慣れした成猫1匹、トイレやペットフードが置いてあった
  • 2022年10月1日-生後3週間、子猫7匹、段ボールで遺棄(告発対象)
  • 2022年4月18日-生後1か月、子猫6匹、段ボールで遺棄 (告発対象)
  • 2023年7月9日-前記の遺棄事案(告発対象)

同地域は避妊去勢手術が徹底され、地域猫たちを世話をする方がいる。状況から同一犯ではない可能性もあるが、発見・保護してもらいやすいとして遺棄場所にされてしまった可能性も高いと思われる。

§どうぶつ弁護団コメント

この状況を見過ごせば、これからも同様の犯行が行われる可能性を許容することとなり、動物遺棄は犯罪であることを今回の告発をもって社会に浸透させていきたいと考えます。

例えば、ご自宅前やご自身の経営する店舗前などに猫が捨てられていたら、「警察に通報しなきゃ!」「防犯カメラつけなきゃ!」と考えられる方も多いと思いますが、通りすがりの公園に猫が捨てられていたらどうですか?

「かわいそうに。誰か良い人が拾ってくれるといいね」と思うだけの人も多いのではないでしょうか?

これが現代社会です。動物虐待が看過される状況と同様です。

人の手によって捨てられた動物たちが、その後どんな末路をたどるのか、皆が皆、幸せな第二の暮らしを得られるわけではありません。半数以上はそのまま命尽きるか、保健所を経由した上で最終、殺処分になってしまうこともあります。

動物遺棄とは命を見捨てる犯罪です。二度と起こらないように、これが犯罪であり、社会規範をもって皆で防いでいくべきものであることを今一度再認識する機会になればと考えます。

特定非営利活動法人どうぶつ弁護団(理事長 細川敦史先生、兵庫県伊丹市西台1-2-11 C-3ビル5階 春名・田中・細川法律事務所内)は、弁護士と獣医師から構成されるNPO法人で、2022年9月に設立された。「動物虐待の予防によって、人と動物にやさしい社会を目指します」という理念のもと、以下の活動を行っている。

  • 動物虐待に対し、適切な処分がなされるように求める
  • 動物取扱業者による動物虐待に対し、行政処分を含む適切な対応がなされるように求める
  • 動物愛護への理解を深めるための普及啓発、調査および研究
  • 動物関係法令等に対する提言
  • 関係諸機関との情報交換