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環境省は、2023年10月10日、同省会議室で「令和5年度動物愛護管理功労者表彰」を行った。
同表彰は、動物の愛護とその適正な管理の推進に関して顕著な功績のあった方や団体を表彰している。今年度は、公益社団法人高知県獣医師会 会長の佐野明彦先生、公益社団法人神奈川県獣医師会 会長の鳥海 弘先生、動物環境科学研究所 所長の船津敏弘先生の3先生が表彰された。すべて獣医師であった。
- 佐野明彦先生(高知県)
- ボランティアが行う猫のTNR活動に協力し、年間100頭以上の飼い主のいない猫に対して休診日を活用し不妊去勢手術を集中的に実施することで殺処分対象となる不幸な猫の削減に努めるとともに、高知県に収容された負傷動物の治療に尽力された。2011年に発生した東日本大震災時に石巻市にて獣医師としてボランティア活動に従事。その後、災害時獣医療派遣チーム(VMAT)の受講を終了。高知県が主催する、ペットと災害を乗り越えるための講習会講師を務める等、ペットの飼い主の防災意識向上を目的とした活動を実施された。
- 鳥海 弘先生(神奈川県)
- 公益社団法人神奈川県獣医師会の会長就任後、神奈川県との間で「災害時における動物救護活動に関する協定書」(2017年度)、「神奈川県が保護した犬、猫等に対する獣医療の連携に関する協定書」(2019年度)を締結。締結にあたって、同会代表として事前調整段階から積極的に県と意見交換を行い、実効性のある協定とするため調整に尽力された。特に「神奈川県が保護した犬、猫等に対する獣医療の連携に関する協定書」については、国内でもあまり例のない、県が保護をした犬、猫等の譲渡を促進するため、獣医師会会員による診断や治療等の直接的な協力を行える体制を確立し、神奈川県の犬・猫殺処分ゼロに大きく貢献された。
- 船津敏弘先生(福岡県)
- 飼い主のいない猫の不妊去勢手術を行う「あすなろ猫事業」を創設し、「財団法人福岡県動物愛護センター等から譲渡される犬・猫の不妊去勢手術および健康チェック」、「公的機関(保健所等)に持ち込まれた子犬・子猫を産んだ親犬・親猫の不妊手術」、「あすなろ猫(いわゆる地域猫)に対する不妊去勢手術の実施」に尽力された。東日本大震災では発生4か月後に福島警戒区域動物救援獣医師チームの一員として取り残された動物救援プロジェクトに参加し、福島第一原発から20 km圏内の犬猫を探し、確保等に貢献された。福岡獣医師会災害時動物救護対策では災害時獣医療派遣チーム(VMAT)の育成活動に取り組み、現在では約60名を超える隊員を認定、2016年の熊本地震では福岡VMATを発生地に派遣し支援活動を実施された。