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■絶滅危惧種の細胞保存 タイムカプセルを 大沼 学先生がクラウドファンディングに挑戦

2023-06-26 12:40 | 前の記事 | 次の記事

国立環境研究所の大沼 学先生が、絶滅危惧種の細胞保存タイムカプセルを北海道に設置するためにクラウドファンディングに挑戦している。

国立環境研究所には絶滅危惧種の細胞を保存するためのタイムカプセルが設置してあり、国内絶滅危惧種130種の細胞が保存されている。

さらに、一般財団法人沖縄美ら島財団と共同で、沖縄をはじめとした南西諸島における絶滅危惧種の細胞等を保存する液体窒素タンクの運用を2023年6月下旬から開始する。

今回は、北海道においても培養細胞や生殖細胞等を保存する体制を整備し、シマフクロウ、オジロワシなどの大型猛禽類をはじめとした絶滅危惧種の遺伝的な多様性を未来に残す保全活動を充実させる取り組みに対する支援を求めるもの。その設備は、北海道大学大学院獣医学研究院の野生動物学教室、毒性学教室、繁殖学教室が共同で管理する予定。

2011年3月の東日本大震災の発生時につくば市の国立環境研究所内のタイムカプセル化事業を行う実験棟が被災し、温度管理システムが停止、凍結した細胞が危機的な状況に陥ったという経緯があり、施設を分散し、複数とすることは、リスクの低減にもつながる。

目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった寄付金を受け取ることができるAll-or-Nothing方式での挑戦である。