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■獣医師の働き方調査 株式会社TYL

2022-12-20 14:37 | 前の記事 | 次の記事

調査結果1

調査結果2

株式会社TYLは、2022年12月16日、「獣医師の働き方に関する意識調査」の結果を発表した。獣医師109名に調査したもの。

§調査方法

  • テーマ:獣医師の働き方に関する意識調査
  • 方法:Vet's Surveyを利用したインターネットリサーチ
  • 対象:獣医師109名
  • 実施日:2022年11月8日~12月7日
  • 主体:株式会社TYL

§調査結果の概要

  • 獣医師の2人に1人が、今の働き方に満足していない状況。労働時間についての悩み1位は「長時間労働」
  • 2019年から政府が提唱している「働き方改革」、獣医療業界は進んでいないと感じている獣医師は約7割という結果に
  • 休暇に関して3人に1人が、有給休暇が取りづらいと回答。フリーアンサーでは、慶弔休暇すら取れないという不満の声も

Q「今の働き方に満足していますか?」

51.4%が「いいえ」と回答。獣医師の2人に1人が今の働き方に満足していない状況ということが分かった。

Q「労働時間についてどう感じますか?」(複数回答可)

もっとも回答が多かったのは「長時間労働だと感じる」で、「労働時間がちょうどよい」と回答したのは109名中51名という結果。

Q「働き方改革を2019年から政府が提唱していますが、現在の獣医療業界についてどう思いますか?」

約7割の獣医師が「働き方改革がまったく進んでいないと感じる」「働き方改革がほとんど進んでいないと感じる」と回答。

Q「現在の働き方で改善したいことは何ですか?」

「人間関係をよくしたい」が23.9%、「月あたりの労働時間(残業時間)を減らしたい」が16.5%、「有給休暇を自由に取りたい」が18.3%、「週あたりの勤務日数を減らしたい」が7.3%という結果。

Q「休暇についてどう感じますか?」(複数回答可)

33%が「有給休暇が取りづらい」と回答。「産休・育休が取りづらい」と回答したのは13.8%で、休暇について不満はないと回答した人が55%でした。フリーアンサーでは、「忌引き休暇すら取れない」「パートだと有給休暇がないので不当だと感じる」といった不満の声もあった。

§TYL 取締役 兼 アニホック動物病院グループ 総獣医師長 藤野 洋先生のコメント

獣医師業界は慢性的な人材不足に陥っているだけではなく、動物病院の経営者が、採用をはじめとした人材に対する考え方が一般企業と比較すると、遅れている傾向にあります。そのため、長時間労働や休日出勤が多くなり、有給休暇や産前産後休暇、育児休暇が取りづらい状況です。子育てを理由に退職する女性、労働環境の影響で業界から離れる獣医師も中にはいます。一方、働き手である獣医師も、政府が提言している働き方改革の内容や一般企業の労働環境を知る機会が少なく、動物病院の労働環境改善のための前向きな議論をすることができていないのが現状です。今回の調査結果を見て、獣医療業界で働く生の声が反映され、実態が明らかになったかと思います。業界の改善が必要ということをより多くの方に知っていただければと思います。私たちTYLは、獣医療業界の働き方をよくしていくためにも、動物病院の運営サポートやDX化推進をおこなっております。また、獣医師向けの人材紹介事業を展開しており、雇用の選択肢を増やすという側面でもサポートをしています。未来の獣医療業界が明るくなるよう、課題を解決していければと考えています。