HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事
アニコム ホールディングス株式会社は、2022年8月1日、「犬の腸内環境の多様性(指標「Shannon Index」を使用)が高いほど健康度が高い」ということが明らかになったと発表した。同社は、2016年からペットの腸内フローラに関する調査・研究を開始し、「腸内フローラ×健康」の関係性について分析を行ってきた。腸内環境の多様性は先天的な要素のみに依存するわけではなく、後天的な要素によっても変化するという結果も出ている。その一部を紹介する。
なお、上記の「健康度」は、対象となる保険契約のうち保険金請求のなかった契約の割合を示しているとのこと。集計対象契約は対象期間中にペット保険の付帯サービスである「どうぶつ健活(腸内フローラ測定)」を実施した0~3歳のどうぶつを対象とし、特定の傷病(骨折、誤飲)による保険金請求があったものは除外されている。
「犬の腸内環境の多様性が高いほど健康度が高い」という結果は、アニコム損保のペット保険における5つの犬種クラス(A~Eクラス)いずれについても同様の結果。例えば、トイ・プードルなどを含む犬種クラスBの場合、多様度がもっとも高い5.0~6.0のグループ(42.4%)は、もっとも低い2.0~3.0のグループ(24.2%)に比べ、健康度が約1.8倍も高いことがわかった。
また、犬種ごとや年齢ごとでの分析においても、同様の傾向が見てとれた。
犬において、0歳・1歳・2歳のそれぞれの時点における腸内環境を調査した。調査では0歳時の犬を腸内環境の多様性により4つのグループに分け、それぞれのグループの加齢による腸内環境の変化を追った。
その結果、全てのグループで、加齢とともに多様性のばらつきが大きくなることがわかった。0歳時に「最も低い」グループと判定されても、1・2歳の時には「高い」「最も高い」グループと同じ水準まで腸内環境の多様性が高まる場合や、その逆もあった。健康度は先天的な要素のみで決まっているわけではなく、後天的な要素(フードや環境、生活習慣など)によっても変化するものであり、腸内環境を改善することでペットの健康度を高められる可能性があることを示している。