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■獣医学生の修業年限規定がなくなる 大学設置基準大幅改正へ

2022-08-17 17:09 | 前の記事 | 次の記事

文部科学省は大学設置基準の大幅な改正を進めている。2022年7月8日には「大学設置基準等の一部を改正する省令案及び教育課程等特例認定大学等の認定等に関する規程案」を発表し、パブリック・コメントの募集を行った(7月8日~8月6日)。

同省は9月7日の大学分科会に改正を諮問し、答申を得て、2022年10月1日の施行を計画している。

改正内容の中には獣医学科の卒業要件も含まれる(「大学設置基準」第32条)。

現在は「獣医学に関する学科に係る卒業の要件は、大学に6年以上在学し、182単位以上を修得することとする」と規定されている。改正されると「獣医学に関する学科に係る卒業の要件は、182単位以上を修得することのほか、大学が定めることとする」となり、6年間の修業年限規定が法的にはなくなる。これは4年制の学部の修業年限規定がなくなったことに合わせてのもの。

改正案には、(1)教員組織と事務組織等を統合して「教育研究実施組織」にする、(2)専任教員をなくし基幹教員を規定し、基幹教員は複数大学を兼務できる、(3)単位の計算方法の「講義および演習」と「実験、実習および実技」の分け隔てがなくなる、(4)「定期試験等」の用語がなくなり、単位の与え方は「試験の上」から「試験その他の大学の定める適切な方法により学修の成果を評価」に変更されるほか、入学者選抜、入学定員、教育課程の編成、施設要件なども改正される。

日本私大教連中央執行委員会は7月25日に「大学設置基準改正案に対する見解」を発表し、今回の改正は拙速すぎ、「大学設置基準のあり方、改正の仕方も含めて、国会での審議を行うべきである」としている。

全国大学高専教職員組合はは8月4日にパブリックコメントを提出している。

なお、文部科学省の中央教育審議会大学分科会大学振興部会(8月9日に「第3回会議」が行われた)では、経済界が求める人材育成のための「文理横断・文理融合教育の推進」が討議されている。