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■健診で病気が見つかる ペットの健康診断受診率は増加が続く

2022-02-04 12:54 | 前の記事 | 次の記事

定期健康診断受診率の推移

初めて健康診断を受けた年齢

健診診断での病気・異常の発見率

一般社団法人Team HOPE(代表 太田亟慈先生)は、2022年2月1日、「ペットの健康管理に関する実態調査」の結果を発表した。Team HOPEはペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体。調査は、犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族)412名を対象としたインターネット調査。内訳は犬のご家族206名、猫のご家族206名。実施期間は2021年12月1日~3日。今回で6回目の調査となる。

発表された調査結果の概要は以下の通り。

  1. 定期的な健康診断を受診させているご家族は、犬は49%(6年前は39%)、猫は38%(6年前は24%)と増加が続く。特に猫の増加が顕著。
  2. 初めて健康診断を受診させた年齢は、0歳~1歳が多い。特に7歳未満の犬では80%、猫では88%が0歳~1歳で受診している。
  3. 受診のきっかけは、「動物病院ですすめられて」が犬・猫ともに7歳未満、7歳以上ともに3~4割と圧倒的に多い。0歳~1歳はワクチン接種や犬糸状虫症予防で動物病院に行く機会が多いため、その際にすすめられたのがきっかけになったと考えられる。
  4. 定期健康診断で受診している項目は、問診・触診・視診が約8~9割。聴診と血液検査は7割。泌尿器や消化器、内臓疾患の発見に役立つ、尿検査・便検査・レントゲンは3割の受診にとどまるものの伸長傾向。腫瘍や心臓疾患の発見に役立つ超音波検査は、1割強が受けている。
  5. 健康診断で病気や異常が見つかった経験は、7歳以上の犬が44%(7歳以下18%)、7歳以上の猫が47%(7歳未満21%)と約半数にのぼる。発見された病気や異常の部位は、7歳以上の犬で肝臓・胆嚢・膵臓が25%で、次いで歯・口腔が22%。7歳以上の猫では泌尿器が49%、次いで循環器が24%。

§太田亟慈先生のコメント

長く一緒に人生を歩む家族の一員として、人間同様、愛犬・愛猫に健康診断を受けさせている方は年々多くなっていることが今年の調査でも立証され、喜ばしく思っています。特に近年、一緒に暮らす方が増えている猫は、体調不良をご家族に見せない習性があり、ご家族が体調の変化に気づいた時には、手遅れになっている場合があります。また猫はシニアになってくると腎臓疾患が多いのも特徴です。健康そうに見えていても、健康診断を定期的に受けていただくことをおすすめします。その際には、ぜひ項目にも注意していただき、「全身の健康状態」を把握できる健診を受けてください。臨床症状がないわずかな変化にも早期に対処ができるため、重症化を防ぎ、健康寿命を延ばすことにつながります。私たち動物病院は「病気になってから行く」ところではありません。しつけやフードのことなど、動物に関わることはお気軽にご相談ください。私たち動物病院と一緒に、ペットとの暮らしをより長く、充実した素晴らしいものにしていきましょう。

Team HOPEでは2月1日より1か月間、「猫の健康診断キャンペーン」を実施している。