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農林水産省は、2020年9月30日、令和3年度農林水産予算概算要求の概要を発表した。
予算総額は2兆7,734億円(令和2年度は2兆3,109億円)。食料安全保障の確立、国土の保全等に向けて対策を総合的に実施していくとし、その重点事項 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_juten.pdfを以下のように示した。
- 生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施-コロナ禍でも揺るがない生産基盤・セーフティネットの構築
- スマート農業・DX・技術開発の推進、食と農に対する理解の醸成-コロナと共存する生活・生産様式への転換
- 5兆円目標の実現に向けた農林水産物・食品の輸出力強化と高付加価値化-コロナを契機とした需要変化への対応と流通の革新
- 農業農村整備、農地集積・集約化、担い手確保・経営継承の推進-コロナを契機とした地方での事業・雇用の創出
- 食の安全と消費者の信頼確保-家畜伝染病の発生予防対策等の強化と食の安全確保
- 農山漁村の活性化-コロナを契機とした都市部から地方への移住を促す環境の整備
- 森林資源の適切な管理と林業の成長産業化の実現-コロナを契機とした山村での事業・雇用と定住環境の創出
- 水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の実現-コロナ禍でも揺るがない生産基盤・セーフティネットの構築
そのうち、畜産・獣医分野の主なものは以下の通り。
1.「生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施」の中の畜産・酪農の生産基盤の強化
- (1)畜産生産体制の強化 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr01.pdf(畜産生産力・生産体制強化対策事業12億円)
- 家畜の増頭を支える改良・増殖
- 繁殖肥育一貫経営の育成等による繁殖基盤の強化
- 和牛の信頼確保のための遺伝子型の検査
- 国産飼料の増産・安定確保に向けた指導・研修、種子の備蓄
- 未利用資源飼料の活用の拡大に向けた取組み
- ICT(情報通信技術)機器の活用等による飼料生産組織の強化
- 公共牧場等の施設・機械の整備等を支援 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr02.pdf(公共牧場機能強化等体制整備事業2億円)
- (2)ICTを活用した畜産経営体の生産性の向上(215億円の内数)
- 酪農家や肉用牛農家の労働負担の軽減、省力化のためのロボット、AI、IoT等の先端技術の導入
- 高度かつ総合的な経営改善に向けたアドバイスを畜産農家に提供するためのデータベースの構築を支援
- (3)畜産環境対策の推進<一部公共>持続的生産強化対策事業215億円の内数、農山漁村地域整備交付金1,131億円の内数)
- 資源循環の促進等の酪農家による環境負荷の軽減の取組み
- 家畜排せつ物処理施設の機能の強化を支援
- (4)草地関連基盤整備<公共> https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr03.pdf(3,983億円の内数)
- 畜産経営規模の拡大や畜産主産地の形成に資する飼料生産の基盤整備等を推進
- (5)家畜・食肉の流通体制の強化(53億円)
- 家畜市場での密集状態の防止に資する機器の導入等を支援 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr04.pdf
- 家庭食需要の増加といった国内外の需要の変化に対応するため、産地の食肉処理施設での薄切り肉等の精肉加工に必要な施設の整備等を支援
- 畜産農家・食肉処理施設・食肉流通事業者の3者でのコンソーシアムに基づき、国産食肉の生産・流通体制の再編・強化に必要な施設の整備等を支援 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr05.pdf、https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr06.pdf
- (6)畜産・酪農経営安定対策 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr07.pdf(所要額2,234億円)
- 意欲ある生産者が経営の継続・発展に取り組める環境を整備するため、畜種ごとの特性に応じて、肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)、加工原料乳生産者補給金等により、畜産・酪農経営の安定を支援
5.食の安全と消費者の信頼確保(33億円)
- (1)消費・安全対策交付金 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr58.pdf
- 豚熱を始めとする家畜伝染性疾病の発生予防等のため、家畜伝染病予防法の改正を踏まえた飼養衛生管理の強化、重要病害虫の侵入防止・まん延防止等を支援
- (2)家畜衛生等総合対策 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr59.pdf(家畜伝染病予防費50億円、国内防疫・水際対策43億円)
- 家畜伝染病予防法に基づく防疫や畜産経営の継続支援の手当金を交付
- 豚熱の経口ワクチンの散布、サーベイランス等のイノシシ対策
- 家畜伝染性疾病の侵入防止のための水際対策
- 産業動物獣医師の確保等の取組を支援
- (3)安全な生産資材の安定供給の推進 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr60.pdf(8億円)
- 肥料取締法の改正を踏まえた肥料の安全性・品質の確保を図るため、製造工程管理を適切に実施
- 家畜農場の周辺における抗菌剤や薬剤耐性菌発現の調査を実施 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr61.pdf
- (4)生産・製造現場と連携したリスク管理 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3yokyu_pr62.pdf(2億円)
- 食品中の有害化学物質、微生物の実態の計画的調査
- それに基づく汚染防止、低減対策の検討、普及を実施