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■日本獣医がん学会オンライン開催 見逃し配信は8月25日から

2020-08-24 11:02 | 前の記事 | 次の記事

一般社団法人日本獣医がん学会(石田卓夫 会長)は、2020年8月22日と23日の両日にわたり、ベットピアのサイトを通じてオンラインで第22回学会を開催した。当日までに675名の登録があり、終了後の登録は700名を超えている。同学会は会員には事前に講演要旨を作成し、手元に講演要旨がある状態で参加できる状態を整えた。参加者はペットピアサイトにある講演要旨PDFもダウンロードできる。

22日の土曜日には世界獣医がん学会で企画していた2つのシンポジウム「犬の肥満細胞腫のリンパ節の取り扱い方2020」と「犬の胃腸管型リンパ腫の診断と治療2020」が行われた。

翌23日の日曜日には今大会のメインシンポジウムである「気管と肺の腫瘍」が行われた。23日午前中の演題と演者は以下の通り。

  • 「病理診断(細胞/組織)」下山由美子先生(アイデックスラボラトリーズ株式会社)
  • 「総合診断(画像と生検)」藤原亜紀先生(日本獣医生命科学大学)
  • 「内科療法/放射線療法」金 尚昊先生(北海道大学)
  • 「麻酔・周術期管理」伊丹貴晴先生(酪農学園大学)

各講義は録画されたもので、開始時間になると動画の再生が可能となる。遅れて見ることも可能である。質問を随時送信することができる。

午前中の最後はZoom上でのライブの総合討論。時間は約25分。進行は会長の石田卓夫先生で、副会長の杉山大樹先生が寄せられた質問を紹介し、シンポジストの先生方が回答を行った。途中、回答の先生のPCの不具合で途中退出のトラブルも起こったが(時間内に復帰した)、タイムスケジュール通りの進行で、討議時間は十分であった。

肺腫瘍における化学療法や分子標的薬の具体的な使用薬や効果に関する質問がだされ、それらの内科療法の限度などが語られた。また現状では生検はあまり行われないという発言もあった。総合討論の最後は午後の講義の内容である外科処置の有効性にふれて締めくくられた。約40分の休憩を経て、午後の講義が開始された。演題と演者は以下の通り。

  • 「肺の腫瘍の外科治療」高木 哲先生(麻布大学)
  • 「胸腔鏡外科」金井詠一先生(麻布大学)
  • 「医原性播種を起こした犬の肺腺扁平上皮癌の1例」水野 累(水野動物病院)
  • 「孤立性肺腺癌に対する寡分割放射線治療の効果」川部美史(岐阜大学)

最後に総合討論が再度行われた。午後の発表内容にあわせて、手技の選択、その際にライト付きカメラ挿入による判断が有用であること、肋骨に囲まれた胸部という性質上大きな腫瘤には外科だけでは対応しきれないことなどが紹介された。また午前中にも話題となった生検については検査機器の機能向上によりもっと増えるのではないか、実施においてインフォームを行うかどうかなど活発な討議がなされた。

最後に石田先生は、次回の学会開催が新型コロナウイルス感染症の拡大状況により現地開催できるかどうか定かではないが、現地で行うにしてもオンラインでの配信も実施する前提で準備を進めると述べた。

また認定医講習会を兼ねる総合教育講演の8講座も8月22日(土)~8月31日(月)にオンライン録画配信されている。

講演内容や総合討論の詳細は、下記の見逃し配信でのご参加をお薦めします。