JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■四国のツキノワグマの絶滅の回避を

2020-05-28 14:30 | 前の記事 | 次の記事

四国のツキノワグマ

公益財団法人日本自然保護協会(会員約2万4千人、亀山 章 理事長)、日本クマネットワーク(会員324名、佐藤喜和 代表)、認定特定非営利活動法人四国自然史科学研究センター(会員:109人、濱田哲暁 理事長)は、2020年5月27日、『ツキノワグマ四国地域個体群保護のための提言』をまとめ、環境大臣他、行政機関に提出したと発表した。2017年から3年間、「四国ツキノワグマを守れ!-50年後に100頭プロジェクト-(地球環境基金事業)」として、50km四方の広域に延べ144台の自動撮影カメラを設置した現地調査等に取り組んできた。今回の提言は、この調査研究の成果に基づいたものとなっている。

四国に生息するツキノワグマは20頭程度で、このままでは絶滅する可能性が極めて高い。絶滅を回避するために、環境省が主体となって、鳥獣保護管理法に基づく「希少鳥獣保護計画」を策定すること等を提言している。

提言の要旨は以下の通り。

  • 鳥獣保護管理法に基づく「希少鳥獣保護計画」の策定と実施。
  • ツキノワグマの生息適地を拡大するための人工林の広葉樹林化と、鳥獣保護区、保護林、緑の回廊等の保護地域の拡大。
  • ツキノワグマの錯誤捕獲を避けるためのわなの規制範囲の拡大と、万が一錯誤捕獲が発生した場合の万全の準備。
  • SDGs(持続可能な開発目標)の観点で、絶滅の危機にある大型野生動物の保護と、保護による地域での軋轢リスクの緩和の両立を目指した、多様な取り組みの推進。