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ライオン商事株式会社は、2020年4月8日、猫にとって快適なトイレ環境に関する実態調査の結果をプレスリリースした。これは東京猫医療センターの服部 幸先生との共同調査で、2020年2月に開催された第16回日本獣医内科学アカデミー学術大会で発表した内容。
猫の問題行動としてトイレ外の排泄があるが、研究グループは、「トイレ容器の大きさ」やトイレに使用する「猫砂」の種類による影響に着目した。
§トイレ容器の大きさの調査
調査期間は2019年3月25日(月)~5月22日(水)の期間内の3日で、場所は東京都内の猫カフェ3店舗。このうち2店舗では休業日の昼から翌日にかけて調査を実施。残る1店舗では営業時間内の昼から夕方かけて調査を実施。調査対象は各店舗で飼育されている計78頭の雑種猫。
各店舗内のフリースペースに横幅が異なる3個のダンボール製トイレ容器を設置し、猫の排泄回数を比較。ダンボール製トイレは奥行きと高さを固定し、横幅をそれぞれ40cm、50cm、60cmに設定した3種類を使用。
猫砂は鉱物系(尿を吸収して固まるタイプ)を使用、トイレ容器の猫砂は深さ5cm分とした。使用経験のない猫砂やトイレ容器の設置による環境変化が猫のストレス因子とならないよう、各店舗で通常使用されている猫砂とトイレ容器を1セット設置。ダンボール製トイレ容器と猫砂は、調査日が変わるたびに新品に取り替え。通常使用されているトイレ容器の猫砂は、猫カフェのスタッフが通常の方法でトイレ容器の清掃と猫砂の交換を実施。
調査開始とともにフリースペース内を無人にし、予め設置したビデオカメラにより猫の排泄行動を記録し、調査終了後に録画映像を確認し排泄回数をカウント。トイレ容器の設置の並び順は、位置による影響を排除するため、毎回位置を入れ替えし、それぞれのトイレ容器における3日間の排便回数と排尿回数の和を排泄回数とした。
結果は以下の通り。
- 横幅40cm 排泄回数39回(総排泄回数に占める割合は16.9%)
- 横幅50cm 排泄回数82回(同35.5%)
- 横幅60cm 排泄回数83回(同35.9%)
- 通常使用のトイレ 排泄回数27回(同11.7%)
横幅50cm以上のトイレ容器における猫の排泄回数が全体の7割強を占めた。
§猫砂の調査
調査期間は2019年7月29日(月)~10月16日(水)の期間内の3日で、場所は東京都内の猫カフェ4店舗。営業終了後の夜から翌日の休業日にかけて調査を実施。調査対象は各店舗で飼育されている計46頭の雑種猫。
各店舗内のフリースペースに、横幅48~60cm、奥行き32.5~44cm、高さ20~21cmのポリプロピレン製トイレ容器を3個設置し、それぞれのトイレ容器に鉱物系、木系、紙系(いずれも尿を吸収して固まるタイプ。同社製品)の猫砂を1種類ずつ入れ、排泄回数を比較。
トイレ容器の大きさは、店舗ごとに統一。猫砂の量は、各トイレの深さ5cm分。猫砂は、調査日が変わるたびに新しく入れ替え。
トイレ容器の設置の並び順は、位置による影響を排除するため、毎回位置を入れ替えし、それぞれのトイレ容器における3日間の排便回数と排尿回数の和を排泄回数とした。
結果は以下の通り。
- 鉱物系猫砂 排泄回数258回(総排泄回数に占める割合は54.2%)
- 木系猫砂 排泄回数152回(同31.9%)
- 紙系猫砂 排泄回数66回(同13.9%)
鉱物系の猫砂が猫に最も好まれた。