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■新型コロウイルスにはエアロゾル感染対策を 中島尚志先生コメント

2020-03-10 11:05 | 前の記事 | 次の記事

今回のコロナウイルス禍の渦中でのセミナー開催などについて、HJS(Hyper Joint Seminer)を主宰・運営する中島尚志先生の見解の一端をニュース欄で紹介していたが(JVMNEWS「催しの開催中止・延期が相次ぐ」 2020-03-03)、新型コロナウイルス感染について中島先生より新たなコメント、情報をいただいたので紹介する。

§中島尚志先生のコメント

「最新の科学」とよく言われますが、科学はevidenceの積み重ねであるが故に、実は最新の事象に対応するのが苦手だと感じています。科学的に対応しようとしているが故に、今回のような、「新型~」というものに対しては、必ずしも結果が出せないもろもろのことが起きているのかと。

今回の感染様式は、一部のマスコミが言っているエアロゾル感染が最も近いのではないかと考えています。「密室」が鍵となります。エアロゾル感染は比較的新しい概念で、咳やくしゃみがなくても呼吸している相手がいれば感染するということで(Yan J, et al. 2018. Infectious virus in exhaled breath of symptomatic seasonal influenza cases from a college community. Proc Natl Acad Sci USA.)、まだ学術の世界では認知されておらず、既存の感染防御のガイドラインでは対応していません。

おそらく既存のマスクや手洗いを中心とした従来の、正しいガイドライン対応では十分な防御はできないのではと考えています。

実際に、感染が広がっていくさまを見て、むしろ感染症の専門家のほうが驚いておろおろしている感じを受けます。

既存のインフルエンザ、新型鳥インフルエンザ、中東呼吸器症候群などすべて夏を超えて感染を持続できたウイルスがないのでいずれおさまるだろうと考えてはいますが、新型であり何が起きるかわかりませんし、evidenceがない状態でできることは限られています。それでも科学は、過去の事象から学んで対応していくと思います。

エアロゾル感染の概念、湿度や換気の重要性などについて、十分なevidenceの上に詳細解説しているものとして、以下の動画配信番組を中島先生より紹介いただいた。
https://www.youtube.com/channel/UCCi-vI_G0N90DVO7LjBa7sw

配信者は東北大学大学院歯学研究科副研究科長の小坂 健教授。