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■この10年で、犬・猫の寿命は延びていた 「アニコム家庭どうぶつ白書2019」

2019-12-17 11:31 | 前の記事 | 次の記事

アニコムホールディングス株式会社は、2019年12月12日、ペットの疾患統計などをまとめた「アニコム家庭どうぶつ白書2019」を公開した。

この「家庭どうぶつ白書」は、アニコム損害保険株式会社のペット保険の保険金請求データや、独自のアンケート調査の結果をまとめたもので、世界最大規模のペット統計データ集。2010年から毎年発表されている(https://www.anicom-page.com/hakusho/)。

同社では、この「家庭どうぶつ白書」を制作し続けていることについて「データは、活用しなければ単なる数字の集まりに過ぎません。しかしながら、これらのデータをペットと関わる皆さまと共有していくことで、ペットへの理解と知識を深め、さらに飼育に係る環境をより良いものにできるはず-そうした思いから、この「家庭どうぶつ白書」を制作しています。今後も、ペット自身とその飼い主・そしてペットに関わるすべての皆さまのお役に立てるようなデータの提供を目指してまいります」と思いを述べている。

「家庭どうぶつ白書2019」の構成

  • 第1部 家庭どうぶつと家族
  • 第2部 どうぶつ医療を取り巻く環境
  • 第3部 どうぶつの疾患統計
  • 第4部 エキゾチックアニマルの統計
  • 第5部 アニコムの取り組み
  • コラム ペットの平均寿命と健康寿命の延伸を考える

アニコム ホールディングス株式会社では、今回の調査結果より、この10年で犬と猫の寿命が延びていること、診療費が多くかかるのはフレンチ・ブルドッグであったこと、多い病気は犬では外耳炎、猫では腎臓病であったこと、MIX犬は病気が少ないこと、エキゾチックアニマルを診療する動物病院の比率が四国で高いことに注目している。

2008年から2017年までの犬・猫の平均寿命の推移の調査結果では、この10年で犬と猫どちらも大きく延びている。犬は0.7歳(8.4か月)、猫は0.5歳(6か月)の延びで、人間の年齢に換算すると犬は約4~5歳分・猫は約3~3.5歳分の延びであった。

犬種ごとの年間診療費を調査(アニコム損保のペット保険契約数上位18犬種について、0~12歳の平均診療費を調査)では、犬全体での年間平均診療費は65,872円。最も高額のフレンチ・ブルドッグでは127,502円で、一方安い傾向にあるのはミニチュア・ダックスフンドやパピヨン、チワワなど、小型犬であった。

アニコム損保のペット保険によせられた保険金請求について、犬・猫それぞれで件数が多かった病気TOP10を調査。犬は外耳炎や皮膚炎がTOP10のうち5つを占めていた。猫は腎臓病が最も多く、年間の平均診療費も約27万円と、非常に高額になっている。

MIX犬の調査では、マルプー(マルチーズ×プードル)、チワプー(チワワ×プードル)、チワックス(チワワ×ダックス)の3種類で全体の25%を占めることがわかった。診療費のランキングでは、低い犬種のTOP4にMIX犬がランクインしており、病気にかかりにくいということが言えると解析している。

エキゾチックアニマルを診療をしているかどうかについて、地域ごとの割合の調査では、全国平均では20.8%が診療可能だったのに対し、四国では30.0%と高い割合であった。