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■皮膚科診療技術の向上に ながたの皮膚科塾

2019-09-20 11:09 | 前の記事 | 次の記事

授業の様子。右奥が永田雅彦先生

授業を受ける先生方は全部で10名と少人数。

 永田雅彦先生が行っている「ながたの皮膚科塾」は、皮膚科診療の実地能力を培う定番の人気セミナーで、ASCの事業として20年以上継続してきた。

 永田先生は1994年にどうぶつ皮膚病センター(後のASC)を設立、皮膚科専門の診療を続けてきた。現在は、診療事業を川口市のどうぶつの総合病院に統合し診療を行っている。また、日本獣医皮膚科学会の改組・発展、アジア獣医皮膚科専門医協会とアジア獣医皮膚科学会の設立にも尽力されてきた。

 その多忙な中で教育にも力を注いできたが、特長的なのは1995年に開始した「ながたの皮膚科塾」。定員は10名の少数精鋭の授業。たんに知識を身につけるだけではなく、実際に使える技能習得がねらい。日常的に診る皮膚疾患の8~9割を授業の対象としている。

 カリキュラムは以下の通り。1か月1回、合計6回。1回3時間の授業が行われる。

  • 第1回 皮膚科へようこそ
  • 第2回 感染皮膚症をきわめる
  • 第3回 皮膚炎を知る
  • 第4回 皮膚とからだ(デルマドローム)
  • 第5回 皮膚とこころ(精神皮膚科学)
  • 第6回 皮膚病を治す(治療学)

 受講生は毎回オリジナルのテキストを予習していく。予習の範囲は25~30頁。授業では、まず予習内容を整理し、次いで症例検討となる。1人4~5回は当てられるため気が抜けない。授業が終わると症例3題についての宿題が出される。宿題は理論が身についていないと解けないよう工夫されており、永田先生は各々の理解度を把握し、添削した宿題を次回の授業の際に戻す。6回目の授業でも宿題が出され、それを終えると修了証が発行される。

 取材をしたのは2019年東京会場の最終授業の6回目が行われた9月19日。参加の先生は「一般の教科書では得られないようなこと、情報を実際にどう使いこなすかということが身につく」と述べている。自信をもって飼い主に病気の説明を行い、その様子にスタッフが驚いたという修了者もいたとのこと。

 「ながたの皮膚科塾」の次回は大阪会場で10月に開始されるが、すでに定員は埋まっている。

https://www.asc.jp/