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■資産形成に関する提言 日本獣医倫理研究会

2019-09-05 16:08 | 前の記事 | 次の記事

会場の様子。左奥は松田俊一氏(左)と松田俊司氏。右奥は座長の水井達也先生(ナラシノ動物愛護病院)

 日本獣医倫理研究会(JAMLAS、山村穂積 会長)は、さる2019年9月1日、東京・京王プラザホテルで第23回研究会を行った。

 今回はまず有限会社エーライフ(https://www.alife-ins.com/)の松田俊司氏と松田俊一氏が「金融審議会報告書の提言について」「法人が契約する生命保険(定期保険)の税制改正概要」「損害保険の請求事例」の講演を行った。

 次いで、JAMLAS会員を対象に実施した労務に関するアンケート結果を福永大督先生(クレア動物病院)が報告。逐次、顧問弁護士の先生方や今回参加した社会保険労務士の鶴岡栄輔先生がコメントを挟みながら討論が行われた。

 最後に顧問弁護士の春日秀文先生(春日法律事務所)が最近の動物医療の判例を紹介した。

 松田俊司氏は、金融庁が2019年6月3日に公表した「金融審議会市場ワーキング・グループ」報告書の解説を行った。「老後には2000万円の資産が必要」で話題となった報告書(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html)である。

 今後のさらなる長寿化が見込まれている状況のなか、報告書は収入支出の状況、金融資産の保有状況などの現状の整理、基本的な視点および考え方、そして考えられる対応がまとめられている。

 60代以上の高齢夫婦無職世帯は、平均的な姿をみると毎月約5万円の赤字。30年で約2,000万の取り崩しが必要となる。その上、この試算には特別な支出(介護費や住宅リフォーム費など)は含まれていない。

 国は、年金で暮らしていくのは厳しく自助の充実を図ることが必要と言っていることになる。

 報告書は考えられる対応として、現役期の対応、リタイア前後期の対応、高齢期のた対応をまとめている。いずれにせよ、金融リテラシーを向上させ、資産形成が必要である。

 松田俊司氏は現役期に対しては少額からでも資産形成を行っていくべきで、長期的に取引できる金融サービスを選ぶのがよいだろうと述べた。

 高齢期の対応については報告書では「取引関係の簡素化など心身の衰えに応じた対応をしやすくする、また、金融面の本人意思を明確にしておき、自ら行動ができなくなったとしても、他者のサボートにより、これまでと同様の金融サービスを利用しやすくしておく」と示してあるが、松田俊司氏はこの「他者」(妻など)を明確にしておき、その他者と良好なコミュニケーションを保っていることが必要と述べた。

 資産形成の具体案として、報告書にも記載してある「つみたてNISA」や「iDeCo」のほか、独立行政法人 中小企業基盤整備機構の「小規模企業共済」と「経営セーフティ共済」(https://www.smrj.go.jp/kyosai/index.html)を勧めた。

 また金融アドバイザーに相談することの重要性についても強調した。フロアーからの「どのようにしてアドバイザーをみつけたらよいのか」との問いに対して松田俊一氏は「日本FP協会https://www.jafp.or.jp/)にE-mailで問い合わせれば、近くの専門家を紹介してもらえると答えた。

 なお、次回は小動物歯科研究会との共同開催で2020年3月15日に行われる。(参考 開催案内https://buneido-shuppan.com/jvmnews/information/kaisai/kai20190903-02)