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■OIE連絡協議会を開催 農林水産省

2019-06-20 17:07 | 前の記事 | 次の記事

説明を行った農林水産省の先生方。左より近藤園子先生(動物衛生課)、沖田賢治先生(動物衛生課)、春名美香先生(食品安全政策課)

 農林水産省消費・安全局動物衛生課は、2019年6月17日、同省内会議室で「令和元年度第1回国際獣疫事務局(OIE)連絡協議会」を開催した。この協議会は、年2回ほど開催され、OIEが作成する動物衛生、人獣共通感染症、アニマルウェルフェアおよび畜産物の生産段階における安全性確保に関する国際基準である陸生動物衛生規約(OIEコード)について、消費者団体や産業界等の関係者との意見交換を行うことを目的としている。同省ではこの協議会での意見を踏まえて、日本の意見・主張を決定していく方針。

 今回の協議会では、OIEに関する一般的な説明に続いて、熊谷法夫 動物衛生課長が「最近の家畜衛生をめぐる情勢について」の説明を行った。

 次に5月に行われた第87回OIE総会結果の報告が行われた。

 総会で採択されたコードは次の通り。

  • 動物衛生サーベイランス(改正)
  • 疾病の予防および管理についての勧告の序論(新規)
  • アニマルウェルフェアの勧告の序論(新規)
  • 狂犬病(改正)
  • アフリカ豚コレラ(改正)

 アフリカ豚コレラのワクチンに対する質問に対して、熊谷課長は「トルコの会社が開発を行っていると話しが出ていた。また米国もワクチンが対策の要素となっている。アフリカ豚コレラのワクチンの開発は難しいということから段階は進み、開発に向かっている情勢」と答えた。

 続いて、2020年2月に検討されることになっている用語と馬インフルエンザについての意見交換などが行われた。

 熊谷課長は、今回のOIE総会でアジア・極東・太平洋地域委員会の議長候補に選出され、各国代表による選挙(5月31日に実施)において当選した。熊谷課長は協議会の最後に「コードを決めていくことは、貿易にかかわることでもあり、地域的、政治的なものが介在しやすいことではあるが、科学的根拠に基づくということを示す場として、日本の、そしてアジア・極東・太平洋地域のコメントを主張していきたい」と述べた。

 連絡協議会のメンバーは以下の通り(五十音順、敬称略)。

  • 天笠啓祐(特定非営利活動法人日本消費者連盟 共同代表)
  • 磯部 尚(公益社団法人畜産技術協会 海外交流部長)
  • 宇留野勝好(全国農業協同組合連合会畜産生産部 技術専任次長 兼 家畜衛生研究所長)
  • 酒井健夫(公益社団法人日本獣医師会 副会長)
  • 佐々木一司(全国食肉事業協同組合連合会 監事)
  • 田中智夫(麻布大学 名誉教授)
  • 土屋耕太郎(公益社団法人日本動物用医薬品協会 国際対応委員会委員)
  • 筒井俊之(農研機構 動物衛生研究部門長)
  • 中島 一敏(大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科 教授)
  • 蓮尾隆子(家庭栄養研究会 常任顧問)
  • 山口俊昭(北海道農政部生産振興局畜産振興課 家畜衛生担当課長)

 協議会の資料と議事概要は、以下のWebページで公開される予定。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie/oie7.html