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5月10日~16日の愛鳥週間にあわせて、2019年5月12日に京王プラザホテルで「全国野鳥保護のつどい」が行われた。主催は環境省と公益財団法人日本鳥類保護連盟、後援は文部科学省と林野庁。
日本鳥類保護連盟の総裁である常陸宮殿下のご臨席のもと、野生生物保護功労者表彰が行われた。
日本鳥類保護連盟総裁賞の山本純郎氏(シマフクロウの保護対策などを行う)をはじめ、環境大臣賞4名1小学校1動物園、文部科学大臣賞2小学校、林野庁長官感謝状3名、日本鳥類保護連盟会長賞2名1小学校、環境省自然環境局長賞4名1小学校1団体、日本鳥類保護連盟会長褒状1名1小学校1中学校が表彰された。
そのなかで、獣医関係者、動物園関係として福岡県の網野泰三先生(アミノ動物病院)と秋田市大森動物園が環境大臣賞を、埼玉県の山田剛久先生(山田獣医科病院)が環境省自然環境局長賞を受賞。環境省が発表した功績は以下の通り。
§網野泰三先生
平成16年に福岡県野生動物保護センターを開設し、現在まで数多くの傷病野生鳥獣の診療や自然復帰に向けたリハビリ等に携わり、野生鳥獣の保護活動に尽力している。平成20年より県の「傷病野生鳥獣医療所」として傷病鳥獣に対する相談や引き取り依頼の対応を行う等、行政に大きく貢献するとともに、県外の傷病鳥獣も受け入れる等、県境を越えた活動を行っている。獣医療を通したヤマネコ(ツシマ・イリオモテ)保護の必要性を、県獣医師会に働きかけ、それらを契機として、平成12年から24年にかけて「ヤマネコ保護活動支援事業」が行われ、ボランティアとしても参加した。また、現在も動物医療過疎地への医療提供やイエネコの不妊・去勢手術等によるヤマネコ保護のための指導や人材確保に努めている。
§秋田市大森動物園
昭和45年よりイヌワシの飼育および繁殖を実施し、現在までに17羽の繁殖に成功したほか、有精卵や雛の動物園間移動等に関する技術開発を実現させ、9園で50羽を飼育中である等、イヌワシ飼育下個体群の確立や維持に大きく貢献している。平成15年に園内の塩曳潟において、絶滅危惧種ゼニタナゴの生息を確認して以来、保護池を設置し、個体や母貝のドブガイの養育や放流、生息状況のモニタリングのほか、アメリカザリガニの駆除を行い、生息環境の維持に努めている。東北地方環境事務所や東北森林管理局と協力して、イヌワシの保護増殖事業に関するパネル展示や行事を開催しているほか、ゼニタナゴの保護活動をHPや機関誌に掲載する等、普及啓発に尽力している。
§山田剛久先生
坂戸市に診療拠点を構え、12年以上にわたり専門知識や技術、経験を活かした鳥獣保護に活躍し、県民の鳥獣保護思想の普及に貢献している。平成19年度より埼玉県の「傷病野生鳥獣保護診療機関」として認定を受け、現在まで傷病野生鳥獣の保護治療業務に尽力し、平成29年度までに延べ291件の診療を行っている。平成22年より開始された「侵略的外来生物対策事業」に翌年から参加し、7年間で746頭の処分を引き受ける等、積極的に事業に協力している。