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■ロイヤルカナン ジャポン ベテリナリーシンポジウム2019

2019-04-08 17:22 | 前の記事 | 次の記事

向かって右より石田卓夫先生、岩井聡美先生、竹村直行先生、ロイヤルカナン社長の山本俊之氏(写真提供:ロイヤルカナン ジャポン)

犬と猫の急性腎障害と慢性腎臓病

 ロイヤルカナン ジャポン(社長 山本俊之)は、2019年4月8日、獣医師と動物看護士対象のシンポジウム「ベテリナリーシンポジウム2019」における講演内容の概要をプレスリリースした。

 同社のベテリナリーシンポジウムは年に一度、全国主要8都市(仙台、広島、大阪、名古屋、横浜、福岡、東京、札幌)で開催されており、2019年は2月3日(日)~3月31日(日)の期間に開かれ、1,900名以上の来場があった。

 シンポジウムでは、「急性腎障害と慢性腎臓病 ‐ 小さな腎臓・尿管をいかに守るか」をメインテーマに、北里大学の岩井聡美先生が「腎後性急性腎障害の病態生理と治療法」について、日本獣医生命科学大学の竹村直行先生が「日本一解りやすい慢性腎臓病の話」と題した慢性腎臓病の診断・治療についての講演を行った。最後に座長・総合司会として登壇した赤坂動物病院の石田卓夫先生が「IBM Cloudを活用する動物病院向け医療プラットホームの展開と人工知能による診断補助ツール実用化」についての特別講演を行った。

 以下に、プレスリリースされた講演内容を紹介する。

■講演1「腎後性急性腎障害の病態生理と治療法」

 岩井聡美先生(北里大学)

 腎後性急性腎障害の閉塞の原因や病態は、犬と猫で大きく異なる。特に猫の尿管閉塞について、疾患にかかった尿管の画像や腎瘻チューブ設置の動画などを用いて、その病態生理と治療についての解説を行った。岩井先生は「急性腎障害は閉塞を解除すればすべて回復できるという単純な病態ではなく、状況によって病態が急速に変化するため、早急な対処が要求されることも多い疾患」と述べた。

 また、「術後の食事管理として、尿細管に負担をかけず、カリウムも補給することができるというメリットを併せ持っている療法食として期待したい」と、ロイヤルカナンの新しい療法食(2019年発売予定)についてもふれた。

■講演2「日本一解りやすい慢性腎臓病」

 竹村直行先生(日本獣医生命科学大学)

 代表的な多発疾患の1つである慢性腎臓病は、症状の進行が緩やかで経過が長期間に及ぶと同時に、完治することがない疾患である。竹村先生は「腎生検以外の検査で組織像を推測し、病気の進行をできるだけ遅くする治療を選び続ける必要がある。犬の場合、初期症状から腎不全に進行するまでの時間が、猫に比べて短いのが特徴。検査をする上で慢性腎臓病の悪化要因の有無と数を確認しておくこと必要がある」と述べた。尿検査や血圧測定、クレアチニン濃度の検査をする上での注意点なども解説した。食事療法については「ウェットやリキッドフードを選択し、開始後の体重低下に気を付けること、ホテル・ステイや入院時には、2,3番目に好きなフードを選択すること」など、食事選びについて、配慮すべき点などにも触れた。

■特別講演「IBM Cloudを活用する動物病院向け医療プラットホームの展開と人工知能による診断補助ツール実用化」

 石田卓夫先生(赤坂動物病院・日本臨床獣医学フォーラム会長)

 石田先生は「人間の医療現場において役立っている医療AIは様々なところで活用できる可能性があり、電子カルテはすでに動物病院にも一般的に導入されている。電子カルテのデータをIBM Cloudで統合的に管理し、動物病院やペットオーナーから得た情報を、許可を得た範囲で分析する『VRAINERS』は、患者データをオンラインストレージで管理できるだけでなく、2019年1月にリリースされた健康相談アプリ「AI Dr.ホームズ」とも連携することができる。『VARINERS』に集積されつづける情報は、AIが学習するための貴重な情報になり、AIを適正に学習させることにより、獣医療における診断補助ツールを樹立することができる」と述べた。AIを活用することによって、獣医師の業務軽減につながることや、高付加価値業務に注力できる点、また待ち時間の短縮やペットオーナーとの新しい関係構築など、AIを取り入れる上でのメリットについて説明した。

問合せ:ロイヤルカナン お客様相談室