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■野生鳥獣肉の衛生管理の実態 厚生労働省

2019-03-26 16:04 | 前の記事 | 次の記事

 厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課は、2018年10月に行われた自治体を対象した野生鳥獣肉の衛生管理等に関する実態調査(調査対象は150自治体)の結果をまとめ、2019年3月22日に都道府県、保健所設置市および特別区の衛生主管部(局)長に通知した(薬生食監発 0322第1号)。概要は以下のとおり。

  1. 自治体の施策
     野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン(独自のガイドラインの策定または厚生労働省のガイドラインの活用)が策定されているのは36自治体で、2017年4月の調査時と比べて増減はない。36自治体は北海道、岩手県、栃木県、埼玉県、千葉県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、豊田市、岡崎市、三重県、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、山口県、下関市、徳島県、香川県、高松市、愛媛県、松山市、高知県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県。
     食品衛生法に基づく食肉処理業の許可に上乗せした野生鳥獣処理の施設登録制度を導入していたのは8自治体(北海道、栃木県、千葉県、長野県、岐阜県、三重県、鳥取市、愛媛県)。
     狩猟者や処理施設従業員を対象とした衛生管理講習会を開催していると回答したのは30自治体。
     相談窓口の設置狩猟者や処理施設従業員が処理野生鳥獣の異常・疾病の有無について相談できる窓口を設置していると回答したのは23自治体で、主な相談窓口は、食肉衛生検査所や保健所(食品衛生関係)。
     47都道府県のうち、移動解体処理車の営業許可に係る施設基準を策定していると回答した自治体は10自治体(北海道、栃木県、神奈川県、新潟県、長野県、愛知県、鳥取県、山口県、高知県、鹿児島県)で、その他23自治体が策定を検討中であった。この10自治体での移動解体処理車の営業許可件数は、3自治体(北海道、長野県、高知県)の5件。
  2. 狩猟・運搬に関する規定
     ガイドラインを策定している36自治体を対象として集計が行われた。
     狩猟後に食肉処理場に搬入するまでの時間をガイドラインで具体的に規定していると回答したのは4自治体で(埼玉県、山梨県、三重県、大分県)、運搬時間は、おおよそ1時間から2時間以内の間で規定。運搬時間に例外規定を設けている自治体は保冷など低温で運搬可能なことを例外条件としている。
     内臓摘出の場所について、屋外での内臓摘出を認めていないと回答したのは9自治体。内臓摘出は原則食肉処理場で行うが、条件によって屋外で行うことも認めていると回答したのは27自治体。屋外で内臓摘出を認める条件の例として、狩猟場所から食肉処理施設への運搬に長時間を要する場合や夏場に限定するといった回答があった。
  3. 食肉処理施設における野生鳥獣肉処理
     食肉処理業の許可を有する野生鳥獣肉の処理施設は全国で計682施設で、前年調査時から52施設増加〔東北地方や関東地方において、原子力災害対策特別措置法第 20条第 2項の規定に基づく食品の出荷制限等の影響により休止中の施設は計上されていない(出荷制限が一部解除されている自治体は除く)〕している。
     野生鳥獣処理施設数が多い都道府県は北海道91、岐阜県41、兵庫県41、宮崎県35、岡山県32。取扱動物別の施設数はシカ専用の処理施設85、イノシシ専用の処理施設146、シカ・イノシシ専用の処理施設305、シカ・イノシシ以外の野生鳥獣も取扱う処理施設146。
     回答に応じた659の処理施設での「受入後の野生鳥獣肉の処理・衛生管理状況」についての調査では、前年調査と同様に「疾病排除」、「汚染を防止するための解体処理」、「冷蔵設備の温度管理」は高い実施状況で、「解体処理の記録」、「トレーサビリティ」、「金属探知の実施」、「細菌検査」、「食道結紮」、「肛門結紮」についての遵守率は低かった。
  4. 加工、調理、販売
     野生鳥獣肉(加工品も含む)の収去検査を行っていると報告したのは12自治体で、収去検査の項目はサルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、E型肝炎ウイルス等。
     自治体による野生鳥獣肉の加工、調理および販売を行う施設に対する衛生管理指導施設に対する監視指導の回数は、最も多い自治体で年に7回、平均で年0.80回。