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■日本獣医療倫理研究会 (2) 動物病院の働き方改革

2019-03-19 13:26 | 前の記事 | 次の記事

講演中の出口裕美先生

 出口裕美先生は、「労働基準法」の改正などによる2019年4月1日から施行される働き方改革の解説を行った。

https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/

 大きな事案は、有給休暇と残業。年次有給休暇が年10日以上付与されている労働者(スタッフ)は、年5日は有給休暇をとらなくてはいけない。そうでない場合は時季指定が義務付けられており、休まないスタッフには業務命令を出してでも休ませないと違法となる。「本人が出てくるから仕方がない」では済まされない。なお、時季指定は本人の希望を考慮しなければならない。

 出口先生は、「有給休暇100%取得ということは、求人においてアピールになるのでは」と述べ、また年次有給休暇取得計画表を作成し、計画的付与制度を活用すれば、雇用者は労務管理がしやすくなり、スタッフはためらいを感じずに有給休暇が取得できることを説明した。

 なおスタッフごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければならない。管理簿は福井労働局のWEBサイトに公開されている年次有給休暇取得管理台帳(Excelファイル)が参考になるが、出口先生は就業管理システムの導入を勧めている。

 残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間となるが、2019年4月1日からは大企業に適用され、中小企業は1年間の猶予があり、2020年4月1日からの適用となる。講演会場のフロアーからは、「現状ではこれを適用させることは難しい」との声もあった。

 出口先生は、動物病院での働き方改革において、以下のチェック項目をあげ、当てはまらないものが1つでもあると注意を要すると述べた。

  1. すべての従業員が年次有給休暇を5日以上取得している。
  2. 年次有給休暇付与日や残日数を従業員ごとにきちんと管理している。
  3. 管理職や裁量労働制が適用される人を含むすべての従業員の労働時間をタイムカードなどで把握している。
  4. 残業が必要なので36協定を締結、届出している。
  5. 時間外労働は月45時間、年360時間の範囲内である。