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■中規模養豚農家へ導入可能な豚舎洗浄ロボットを開発

2019-03-08 16:16 | 前の記事 | 次の記事

高機能型の肥育豚舎用洗浄ロボット(写真提供:農研機構)

低価格型の肥育豚舎用洗浄ロボット (写真提供:農研機構)

分娩豚舎用洗浄ロボット (左:開発機の外観、右:ダイレクトティーチングの様子)

 農研機構は、3月5日に、中規模養豚農家向けの取扱性・操作性に優れ、外国製と比べてコンパクトな豚舎洗浄ロボットを開発したと発表した。肥育豚舎用(高機能型と低価格型)と分娩豚舎用の3種類を製作した。現場での作業試験の結果、作業時間は人手と比べて66~68%の削減。今後は低価格型の市販化を優先し、環境耐性や耐久性の向上を進め、 2020年度以降の市販化を目指す。

 豚舎の洗浄作業は、排泄物が飛散する極めて厳しい環境下で行われる上に、農場における全労働時間の約 1/3を占めることから、離職する従業員が相次ぎ、養豚経営の人材育成に深刻な影響を及ぼしている。一部の大規模養豚農家では、外国製の豚舎洗浄ロボットを導入・運用しているが、車体が大きく、 1,000万円以上と高価なために中規模養豚農家には普及しておらず、操作性や取扱性についても改良の要望がある。

 研究開発チームは、日本の養豚農家の多くを占める中規模豚舎に適した取扱性・操作性に優れ、本体価格 600万円以下、機体幅 650mm以下、ティーチング操作が容易といった開発目標を立てた。

§肥育豚舎用洗浄ロボット

  •  高機能型は最大長 3.6mの伸縮式アームを全方向移動クローラ台車に搭載し、測域センサを利用した隔柵に沿って走行可能な自律走行システムにより、タブレット端末を用いたワイヤレスでの操作ができる。現場での試験では、人手で行う作業時間と比べて68%の削減ができた。また、洗浄ロボットの動作状況を携帯端末で閲覧でき、エラー発生時には警告メールを受け取れる管理システムも開発した。
  •  低価格型は、モーター1台で走行する車輪式台車とガイドホイールによる直進走行方式を採用し、低コスト化を図るとともに操作性の向上を図った。

§分娩豚舎用洗浄ロボット

  •  複雑な動きができる 6軸アームの特長を活かし、アームを直接把持してティーチングできる機能(ダイレクトティーチング)を搭載することで構造が複雑な分娩豚房への適用を図った。現場での試験では、人手による作業時間と比べて66%の削減ができた。
  •  洗浄後の豚房内の床面と壁面の残存細菌数を分析した結果、対照区(人手による洗浄)とロボット洗浄区(洗浄はロボット、仕上げは人手)に差はなかった。

 研究開発チームの代表者は農研機構農業技術革新工学研究センター 戦略統括監付戦略推進室農業機械連携調整役 志藤博克先生(Tel 048-654-7093)で、株式会社中嶋製作所、スキューズ株式会社、トピー工業株式会社、香川大学、国立高等専門学校機構津山工業高等専門学校、株式会社 NTTドコモ、農研機構動物衛生研究部門、千葉県畜産総合研究センター、一般社団法人日本養豚協会、有限会社ブライトピック千葉が参加している。