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■犬の Anaplasma phagocytophilum 感染症

2019-02-19 15:26 | 前の記事 | 次の記事

檀上は福井祐一先生

 第15回日本獣医内科学アカデミー学術大会において日仏獣医学会は「新たな犬のマダニ媒介性疾患- Anaplasma phagocytophilum 感染症」をテーマとする講演会を行った。

 まず、帯広畜産大学の猪熊 壽先生が同感染症のアウトラインを簡明に述べた。アナプラズマはリケッチア同様に細胞内寄生(好中球)し、海外では人を初め、馬や牛(牛は特にフランス)、シカ、犬、猫などで報告されている。牛などが感染した場合は症状より放牧熱といわれる。

 次いで、つくば市でこまち動物病院を開業し、岐阜大学大学院連合獣医学研究科に所属する福井祐一先生が、犬での本邦初報告例となった症例や研究について発表した。

 初報告となったシー・ズーの症例(2014年)では、予防がなされていたため、ダニ媒介性疾患は疑わず、免疫介在性疾患を疑い治療を開始。しかし、すっきりとは治らず、血小板数の推移がエーリキア症に似ていたためIDEXX Snap 4DXのスクリーニング検査を外注し、Anaplasma phagocytophilum 弱陽性の結果となった。その後、PCR検査を行い陽性が確定した。治療により症状はおさまり、そしてマダニ予防を強化した。

 その後の調査で、同じつくば市の隣の守谷市で3症例がみつかっている(2016年)が、そのほかの事例は報告されていない。地域に限定的なものなのかどうかははっきりしないが、見過ごされている可能性もあり、今回の発表によりこの疾患への認識が広まって欲しいと福井先生は述べた。

 なお、予防が行われていたにも関わらずマダニが寄生したことについては、薬効の問題ではなく、投薬がきちんと行われているかどうかなどによるのではと、会場からの質問に答えた。問診において、マダニの存在の有無に気が付くのが重要とのこと。

 犬の初発例は2016年に日本獣医師会雑誌に掲載されている。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma/69/2/69_97/_article/-char/ja